文献詳細
文献概要
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文献紹介 未治療進行期悪性黒色腫に対するイピリムマブ併用ダカルバジン療法の効果
著者: 福田理紗1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.614 - P.614
文献購入ページに移動 悪性黒色腫を含む担癌患者は免疫抑制状態にあり,そのため自己の免疫が腫瘍を十分に攻撃できないことが明らかになっている.イピリムマブは,腫瘍が出すサイトカインにより発現したT細胞抑制レセプターであるCTLA-4を阻害することによってT細胞の働きを活性化し,免疫抑制を解除する働きをもつ.すなわち,腫瘍免疫の抑制状態を解除する薬剤である.今回,ダカルバジンとイピリムマブの併用療法が,ダカルバジン単剤投与に対し,未治療の悪性黒色腫の全生存期間を改善するかについて第Ⅲ相臨床試験を行った.
臨床試験は,未治療で測定可能病変を有する病期ⅢまたはⅣの悪性黒色腫の患者502例を対象とし,ダカルバジン+イピリムマブ群は250人,ダカルバジン+プラセボ群は252人に無作為に割り付けられた.薬剤は1,4,7,10週に投与し,その後は22週まで3週おきに投与を行った.結果は,イピリムマブ群は全生存期間が平均11.2か月であったのに対し,プラセボ群は9.1か月と,全生存期間の改善を示した.1年生存率はイピリムマブ群が47.3%,プラセボ群が36.3%であり,2年生存率は28.5%,17.9%,3年生存率は20.8%,12.2%といずれもイピリムマブ群で良好であり,完全奏効,部分奏効の平均期間もイピリムマブ群19.3か月,プラセボ群8.1か月と有意差を認めた.副作用としてはダカルバジン+イピリムマブ群はイピリムマブ単独投与と比較し,肝機能障害の頻度が高かった.これは,ダカルバジンとの併用が原因と考えられる.イピリムマブ群で頻度の高い副作用は肝機能障害,下痢,皮膚症状(掻痒,発赤)であり,そのなかでも肝機能障害が最も頻度が高かった.また,イピリムマブ,ダカルバジン単独投与時の副作用以外の新たな副作用は観察されなかった.
臨床試験は,未治療で測定可能病変を有する病期ⅢまたはⅣの悪性黒色腫の患者502例を対象とし,ダカルバジン+イピリムマブ群は250人,ダカルバジン+プラセボ群は252人に無作為に割り付けられた.薬剤は1,4,7,10週に投与し,その後は22週まで3週おきに投与を行った.結果は,イピリムマブ群は全生存期間が平均11.2か月であったのに対し,プラセボ群は9.1か月と,全生存期間の改善を示した.1年生存率はイピリムマブ群が47.3%,プラセボ群が36.3%であり,2年生存率は28.5%,17.9%,3年生存率は20.8%,12.2%といずれもイピリムマブ群で良好であり,完全奏効,部分奏効の平均期間もイピリムマブ群19.3か月,プラセボ群8.1か月と有意差を認めた.副作用としてはダカルバジン+イピリムマブ群はイピリムマブ単独投与と比較し,肝機能障害の頻度が高かった.これは,ダカルバジンとの併用が原因と考えられる.イピリムマブ群で頻度の高い副作用は肝機能障害,下痢,皮膚症状(掻痒,発赤)であり,そのなかでも肝機能障害が最も頻度が高かった.また,イピリムマブ,ダカルバジン単独投与時の副作用以外の新たな副作用は観察されなかった.
参考文献
Robert C, et al:Ipilimumab plus dacarbazine for previously untreated metastatic melanoma. N Engl J Med 364:2517-2526, 2011
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