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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻9号

2012年08月発行

文献概要

症例報告

色素失調症の1例

著者: 篠原綾1 良田陽子1 秋山創1 香田翼2 上田雅章2 吉田真策2

所属機関: 1公立豊岡病院皮膚科 2公立豊岡病院小児科

ページ範囲:P.667 - P.670

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要約 日齢12日,女児.出生数時間後より四肢,体幹の紅斑,水疱が出現した.当初皮膚感染症が疑われ,抗生剤を投与されたが,症状は改善しなかった.当科初診時,四肢,体幹のBlaschko線に沿って紅斑を認め,紅斑上には無数の水疱および膿疱が列序性に集簇して存在していた.特徴的な皮膚症状を呈していたことから色素失調症を疑い,病理組織学的検査で,表皮内に多数の好酸球を伴う水疱を認めたため,色素失調症と診断した.全身検索を行ったが,明らかな合併症は認められなかった.その後,外用処置のみで水疱は自然に消退し,現在はわずかに色素沈着を認めるのみである.色素失調症が疑われる患者への皮膚科医の早期介入は,不要な治療を防ぎ,迅速な合併症の検索および治療に繋がることから有益であると考えた.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系,11巻,中山書店,p138, 2002
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3) Sulzberger MB:Arch Dermatol Syph 154:19, 1928
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6) 太田智秋,他:日小皮会誌 26:37, 2007
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10) Chatkupt S, et al:Am J Roentgenol 160:372, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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