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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻9号

2012年08月発行

文献概要

症例報告

ラモトリギンによるStevens-Johnson症候群の1例

著者: 東前和奈1 道上幹子1 伊東詩織1 工藤比等志1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院皮膚科

ページ範囲:P.671 - P.675

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要約 58歳,男性.間代性てんかんのためバルプロ酸ナトリウム(デパケン®,以下バルプロ酸)内服中,てんかん発作のためにラモトリギン(ラミクタール®)を追加された.約2週間後に発熱と発疹が出現し,皮膚および口腔内にびらんも生じた.経過からラモトリギンによるStevens-Johnson症候群と考えラモトリギンを中止した.また,バルプロ酸がラモトリギンの血中半減期を延長させることが判明したため,バルプロ酸を中止し,ラモトリギンの血中半減期を短縮させるフェニトイン(アレビアチン®)に変更した.ステロイドパルス,免疫グロブリン投与等により,症状は改善した.ラモトリギンによる薬疹に対処する際には,その代謝における特性を踏まえる必要があると考えた.

参考文献

1) 藤山幹子,他:皮膚病診療 30:1349, 2008
2) 井上奈津子,他:皮膚臨床 52:1486, 2010
3) Messenheimer J, et al:Can J Neurol Sci 25:S14, 1998
4) Wong IC, et al:Ann Pharmacother 33:1037, 1999
5) 橋本公二:Stevens-Johnsonn症候群,Toxic epidermal necrolysis(TEN)とhypersensitivity syndromeの診断基準および治療指針の研究,厚生科学特別研究事業,平成13年度総括研究報告,2002
添付文書:グラクソ・スミスクライン株式会社
7) 兼子 直,他:新薬と臨床 60:431, 2011
8) 大田原俊輔,他:臨床精神薬理 57:99, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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