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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻9号

2012年08月発行

文献概要

症例報告

陰囊に発生した基底細胞癌

著者: 土井恵美1 伊藤史朗2 尾市誠2 半田芳浩2

所属機関: 1安江病院皮膚科 2江南厚生病院皮膚科

ページ範囲:P.707 - P.710

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要約 87歳,男性.2~3か月ほど前に近医で陰囊の腫瘍を指摘された.初診時,陰囊左側に中央に常~紅色丘疹および潰瘍を伴う45×40mmの黒褐色結節,さらに下部に黒褐色点状の衛星病変を認めた.臨床型は結節潰瘍型,組織型は充実型の基底細胞癌と診断し,局所麻酔下にて,腫瘍辺縁から5mm離して肉様膜上で切除した.文献的考察から陰囊部基底細胞癌は,基底細胞癌全体の集計と比較して腫瘍径が大きく,全例が高リスク症例であったため,初回の確実な切除が重要である.切除後の再発例は21例中1例にみられ,転移例はなかった.しかし海外では,陰囊部基底細胞癌は転移率が高いとの報告もあるため,転移の検索も必要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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