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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科66巻9号

2012年08月発行

文献概要

症例報告

吸収不良症候群による低栄養状態においてみられた皮膚症状

著者: 吉成康1 小林亮2 井村満男3

所属機関: 1焼津市立総合病院皮膚科 2焼津市立総合病院外科 3焼津市立総合病院代謝内分泌科

ページ範囲:P.723 - P.727

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要約 50歳,女性.初診の約5年前,胃癌に対し膵頭十二指腸切除術を施行された.その後の定期検査にて脂肪肝および膵臓の石灰化を指摘されていた.約3か月前から体重減少と下肢の浮腫が出現し,さらに両下肢に境界明瞭な疼痛を伴う紅斑がみられたため,当科を受診した.ステロイド外用剤では改善せず,皮疹はさらに悪化して,背部,臀部に環状~地図状の落屑を有する紅斑が出現し,壊死性遊走性紅斑様の皮疹となった.摂食状況は良好で栄養状態は良いと考えていたが,血液検査では血清亜鉛値34μg/dl(正常値:59~135),プレアルブミン5mg/dl(22~40)と低下していた.またPFD試験37.4%(73.4~90.4),1日尿中CPR 1.7μg/日(23~155)であったことから,非代償期の慢性膵炎による吸収不良症候群と糖尿病と診断した.胃や十二指腸の手術後では,慢性膵炎から吸収不良症候群を合併し,栄養障害に起因した多彩な皮膚症状を呈することがある.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系,特別巻1,中山書店,p301, 2004
2) 長岡康裕,他:日内会誌 91:453, 2002
3) 笠井弘子,他:臨皮 65:577, 2011
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6) 前島英樹,他:西日皮膚 63:37, 2001
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8) Elder D, et al:Lever's Histopathology of the Skin, 9th ed, Lippincott Williame & Wilkins, Philadelphia, p421, 2005
9) 中東恭子,他:皮の科 6:246, 2007
10) 青山文代,他:皮紀 82:543, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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