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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻1号

2013年01月発行

文献概要

症例報告

デュロテップ®パッチによる接触皮膚炎症候群の1例

著者: 薬師寺直喜1 藤山幹子2 渡部裕子3 白方裕司2 村上信司2 橋本公二2 佐山浩二2

所属機関: 1市立宇和島病院皮膚科 2愛媛大学大学院医学系研究科感覚皮膚医学 3わたなべ皮ふ科形成外科

ページ範囲:P.12 - P.16

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要約 60歳,男性.中咽頭癌の癌性疼痛に対し2004年4月よりデュロテップ®パッチ貼付を2.5mg量より開始した.4月下旬より同7.5mgパッチに増量して貼付を継続していたところ,貼付開始後45日目に体幹前面のパッチ貼付部に一致して紅斑が出現した.なお同パッチの貼付を継続していたところ,2日後には体幹,四肢に播種状に紅斑が出現した.同日より貼付を中止したが皮疹は消退せず,ベタメタゾン4mgの筋注を3日間,2mgを3日間施行し皮疹は軽快した.基剤パッチによるパッチテストを施行したが陰性だったため,自験例は主成分のフェンタニルによる接触皮膚炎症候群と診断した.デュロテップ®パッチでのアレルギー性接触皮膚炎および接触皮膚炎症候群はきわめて稀であると思われる.

参考文献

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12) Hostynek JJ, Maibach HI:Cutan Ocul Toxicol 29:241, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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