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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻1号

2013年01月発行

文献概要

症例報告

脂腺分化を伴った皮膚混合腫瘍の1例

著者: 稲津美穂子1 石川武子1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.49 - P.52

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要約 79歳,男性.2年ほど前に左眉毛部外側の自覚症状のない結節に気付いた.結節は徐々に増大した.現症は13×8×5mm大の弾性硬の皮内から皮下の結節で,表面は軽度黄色調を呈し,黄白色に透見できる小円形構造とコメド様の開口部があった.病理組織像では真皮内に上皮性成分と一部粘液腫様の間質よりなる腫瘍巣が存在した.上皮性成分は断頭分泌を伴う管腔構造,充実性細胞塊,大小の角質囊腫から構成され,各所に脂腺細胞が混じていた.これらの所見から脂腺分化を伴った皮膚混合腫瘍と診断した.アポクリン型の皮膚混合腫瘍はアポクリン汗腺,毛包脂腺ユニットを原基とすると考えられる.脂腺分化を伴うことがあるが,その出現頻度は低いことが文献的および当科経験例の集計でも判明した.皮膚混合腫瘍における脂腺分化は低頻度であるものの,病理診断の助けになるものと考えられた.

参考文献

1) 安齋眞一,他:日皮会誌 117:1959, 2007
2) Ackerman AB, et al:Neoplasms with Apocrine Diffierentiation, Lippincot-Raven, Philadelphia, p330, 1998
3) Hassab-EI-Naby HM, et al:Am J Dermatopathol 11:413, 1989
4) 濱田重雄,嵯峨賢次:日皮会誌 109:745, 1999
5) 村澤章子:臨皮 56:295, 2002
6) Salama ME, et al:Arch Pathol Lab Med 128:986, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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