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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻1号

2013年01月発行

文献概要

症例報告

脊髄損傷による感覚障害が悪化因子と考えられ,壊死性筋膜炎を併発した仙骨部褥瘡の1例

著者: 馬場俊右12 本多孝之13 赤坂俊英2

所属機関: 1八戸赤十字病院皮膚科 2岩手医科大学医学部皮膚科学講座 3岩手医科大学医学部形成外科学講座

ページ範囲:P.75 - P.78

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要約 58歳,男性.3年前に事故で脊髄を損傷し,両下肢麻痺があり,車椅子を使用していた.初診時は仙骨部に5mm大の褥瘡がみられるのみであったが,車椅子用クッションが壊れ,褥瘡が拡大し,壊死を生じた.その後褥瘡周囲の発赤と広範なポケット形成と排膿,発熱があり,壊死性筋膜炎と診断した.膿汁細菌培養ではEnterococcus faecalisが検出された.デブリードマンとセファゾリン2g/日を10日間点滴静注し,感染はコントロールされ,褥瘡潰瘍は大臀筋穿通枝皮弁で被覆した.脊髄損傷による運動障害と感覚障害による長時間の同一部位の圧迫が壊死性筋膜炎を合併するまでに褥瘡を悪化させた大きな要因と考えた.

参考文献

1) 野矢美佐子:成人看護II 37:286, 2006
2) 神杢奈美,他:MB Med Reha 115:9, 2010
3) Teasell RW, et al:Arch Phys Med Rehabil 81:506, 2000
4) Cruse JM, et al:J Spinal Cord Med 23:129, 2000
5) 大西正雄,他:褥瘡会誌 7:124, 2005
6) 木下幸子:改訂版実践に基づく最新褥瘡看護技術,照林社,p177, 2009
7) 一宮 誠,他:臨皮 64:86, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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