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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻10号

2013年09月発行

文献概要

原著

色素性エクリン汗孔腫5例のダーモスコピー所見と病理組織所見の検討

著者: 山川千尋1 眞海芳史1 小林憲1 石崎純子1 二宮淳也1 藤林真理子2 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2東京女子医科大学東医療センター病院病理科

ページ範囲:P.747 - P.752

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要約 色素性エクリン汗孔腫と診断した5例を対象に,そのダーモスコピー所見と病理組織所見を比較検討した.色素の濃い部分ではエクリン汗孔腫に特徴的なglomerular vesselsやwhitish pink networkが色素に隠され,blue-gray globulesやwhitish blue networkを呈することがある.Whitish networkは病理組織所見では腫瘍胞巣の索状網目状構造に対応しており,色素が少なく血管拡張が目立つとpinkを呈し,色素が多い部分ではblueを呈する.ダーモスコピーでのblue-grayの色素沈着は病理組織所見では腫瘍細胞内と真皮層のメラニン沈着に対応している.色素性エクリン汗孔腫のダーモスコピー診断のポイントは,色素が少ない部分で通常のエクリン汗孔腫の所見が観察されるか,色素の濃い部分全体が青白色調になる点である.

参考文献

1) Nicolino R, et al:Dermatology 215:161, 2007
2) Ferrari A, et al:Acta Derm Venereol 89:160, 2009
3) 小林 憲,田中 勝:MB Derma 177:247, 2011
4) 伊東慶悟,他:日皮会誌 119:181, 2009
5) 井上喬之,他:皮膚病診療 34:928, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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