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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻10号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

両側の著明な眼瞼腫脹を契機に診断したIgG4関連Mikulicz病の1例

著者: 松本優香1 正畠千夏1 福本隆也1 小林信彦1 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.753 - P.757

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要約 66歳,女性.2003年より両上眼瞼の腫脹が出現した.ベタメタゾン1mg/日内服で眼瞼腫脹はいったん軽快したが,糖尿病のためベタメタゾン内服を中止した.2011年より両上眼瞼の腫脹が再燃した.MRIで両側涙腺の腫脹がみられ,血液検査で抗核抗体・抗SS-A/Ro抗体陰性で,血清IgG値が1,878.6mg/dl,IgG4値が649.0mg/dlと上昇を認めた.涙腺,唾液腺生検でIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,IgG4関連Mikulicz病と診断した.プレドニゾロン30mg/日の内服を開始し,両上眼瞼の腫脹は消失した.上眼瞼に対称性の持続性腫脹がある場合は,IgG4関連Mikulicz病を鑑別する必要がある.

参考文献

1) 正木康文,他:臨床検査 55:763, 2011
2) Mikulicz J:Über eine eigenartige symmetrishe Erkrankung der Tranen und Mundspeicheldrusen. Beitr. Z. Chir. Fesrschr. F. Theodor Billroth. Stuttgart. p610, 1892
3) Yamamoto M, et al:Scand J Rhumatol 33:432, 2004
4) 山本元久,他:炎症と免疫 19:336, 2011
5) 全  陽,他:IgG4関連疾患への誘い,前田書店,p93, 2010
6) 森山雅文,他:IgG4関連疾患への誘い,前田書店,p111, 2010
7) 梅原久範,他:臨床検査 55:731, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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