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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻10号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

De novo優性栄養障害型表皮水疱症の1例

著者: 吉田憲司1 小原芙美子1 石井真由美2 渋谷和俊2 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森) 2東邦大学医療センター大森病院病理診断科

ページ範囲:P.768 - P.772

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要約 3か月,女児.生後4日から両手足に水疱とびらん形成を繰り返すため来院した.両親・同胞に表皮水疱症の既往はない.初診時,両手背,足背に限局した稗粒腫の多発とびらんを認めた.電顕では基底板下の裂隙形成と係留線維に軽度の形成不全があり,蛍光抗体法ではⅦ型コラーゲンに欠損はみられなかったものの発現が弱いことから,栄養障害型表皮水疱症(dystrophic epidermolysis bullosa:DEB)と診断した.遺伝子検査を施行したところ,患児の片方のalleleにc. 6209G>A(p. Gly2070Glu)のグリシン置換変異を認め,両親には変異がなかったことからde novo変異による優性DEBと診断した.この変異は過去に優性DEBとして報告例があった.家系内孤発例で軽症なDEBは,non-Hallopeau-Siemens劣性DEBだけでなく,de novo変異による優性DEBの可能性が考えられ,2つの病型は電顕,蛍光抗体法では区別できず,正確な遺伝カウンセリングには遺伝子検査が必要である.

参考文献

1) 石河 晃,他:日小皮会誌 23:29, 2004
2) Fine JD, et al:J Am Acad Dermatol 42:1051, 2000
3) Dang N, et al:Exp Dermatol 17:553, 2008
4) Varki R, et al:J Med Genet 44:181, 2007
5) Gardella R, et al:J Invest Dermatol 119:1456, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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