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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻10号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

皮膚線維腫様外観を呈したpapillary tubular adenomaの1例

著者: 富田あさひ1 石崎純子1 小林憲1 藤林真理子2 安齋眞一3 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2東京女子医科大学東医療センター病理科 3日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科

ページ範囲:P.773 - P.776

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要約 62歳,女性.10年前より右手関節部に皮疹を自覚,最近になり徐々に増大した.初診時,右手関節に7mm大で弾性硬の褐色ドーム状小結節が存在し,ダーモスコピー所見では,中央に境界不明瞭な大小の白色類円形構造,辺縁部には放射状に配列する淡褐色で微細な色素ネットワークを認めた.病理組織学的には真皮内に大小の囊腫構造,管腔構造があり,一部に断頭分泌様の所見がみられた.管腔壁は2層性で内側上皮は内腔に向かい一部は乳頭状に増生していた.汗腺腫瘍の由来をエクリン腺かアポクリン腺か決定することは難しく,自験例をpapillary tubular adenomaと診断した.ダーモスコピー所見では,大小の類円形管腔構造を反映する多房性白色構造が特徴的であり,皮膚線維腫との鑑別になりうると考えた.

参考文献

1) Abenoza P, Ackerman AB:Neoplasms with Eccrine Differentiation. Lea & Febiger, Philadelphia, p353, 1990
2) Landry M, Winkelmann RK:Arch Dermatol 105:869, 1972
3) Rulon DB, Helwig EB:Arch Dermatol 113:596, 1977
4) Abenoza P, Ackerman AB:Neoplasms with Ecrine Differentiation. Lea & Febiger, Philadelphia, p353, 1990
5) 菅原祐樹,他:臨皮 59:789, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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