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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻10号

2013年09月発行

文献概要

症例報告

Langerhans細胞肉腫の1例

著者: 森達吉1 伊藤泰介2 目黒史織3 馬場聡3 犬塚学4 戸倉新樹2

所属機関: 1富士宮市立病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科 3浜松医科大学病理部 4袋井市民病院皮膚科

ページ範囲:P.803 - P.807

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要約 79歳,男性.2009年3月右大腿に皮膚潰瘍が出現した.潰瘍は徐々に拡大し,2009年5月下旬当科を受診した.右大腿に壊死組織の付着した皮膚潰瘍があり,周囲に皮下硬結を触知した.病理組織学的に,核に切れ込みが目立つ比較的大型の類円形異型細胞が真皮から皮下組織に浸潤し,核分裂像もみられた.浸潤する異型細胞は免疫組織化学的にS100蛋白,CD1a,CD207/Langerin陽性であり,電子顕微鏡にてBirbeck顆粒を認め,Langerhans細胞の形質に合致していた.胸腹部CTでは右鼠径部から腎動脈レベル以下の傍大動脈領域にかけてリンパ節が多数腫大していた.以上よりLangerhans細胞肉腫(Langerhans cell sarcoma:LCS)と診断した.放射線治療として50Gy照射したところ部分消退したが,その後潰瘍を伴う腫瘍は悪化し,半年後永眠した.LCSは予後不良で非常に稀な疾患であり,今後さらなる症例の蓄積により治療法の確立が望まれる.

参考文献

1) Jaffe R, et al:WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, 4th ed, IARC, Lyon, p358, 2008
2) 古賀文二,他:日皮会誌 121:2059, 2011
3) Sumida K, et al:Int J Hematol 87:527, 2008
4) Furmanczyk PS, et al:J Cutan Pathol 39:644, 2012
5) Bohn OL, et al:Int J Hematol 85:116, 2007
6) Uchida K, et al:J Orthop Sci 13:89, 2008
7) Yoshimi A, et al:Int J Hematol 87:532, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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