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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

症例報告

ステロイド内服とナローバンドUVBの併用療法が有効であった汎発性膿疱性乾癬の妊婦例

著者: 奥沢康太郎1 安池理紗1 山本祐理子1 金久史尚1 中井章淳1 益田浩司1 加藤則人1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.858 - P.862

文献概要

要約 24歳,女性,第一子妊娠中.10歳頃に膿疱性乾癬を発症したが,15歳以降は自然寛解していた.妊娠27週目頃から小膿疱と鱗屑を伴う紅斑が,体幹,四肢に出現し徐々にほぼ全身へ拡大した.白血球増加,CRP上昇,血中Ca濃度低下を認めた.妊娠が誘因となり再燃した汎発性膿疱性乾癬と診断した.ステロイド外用治療で効果はなく,ナローバンドUVB(NB-UVB)の単独療法(計1.8J/cm2,9日間施行)に切り替えたが,治療効果に乏しかった.プレドニゾロン(PSL)30mg/日の内服を7日間併用したところ皮疹は改善傾向を示した.その後NB-UVB療法を中止したところ再び皮疹は悪化した.NB-UVB療法を再開すると皮疹は改善し寛解が得られ,健康な男児を出産した.汎発性膿疱性乾癬の治療薬には催奇形性が報告されているものがあり,妊婦に生じた場合は治療の選択肢が制限される.ステロイド内服とNB-UVBの併用療法は催奇形性のリスクが低く,有効な治療法の1つと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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