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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

文献概要

症例報告

苔癬様型の皮膚症状を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 佐伯葉子1 岡島加代子1 佐藤佐由里1 大西智子2 佐伯秀久3 伊東慶悟3 大槻マミ太郎4

所属機関: 1山王病院皮膚科 2山王病院眼科 3東京慈恵会医科大学皮膚科 4自治医科大学皮膚科

ページ範囲:P.869 - P.872

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要約 67歳,男性.2010年8月頃より両眼の虹彩炎を繰り返し,ステロイド点眼治療で軽快と再発を繰り返していた.2011年4月頃より皮疹が出現し,同年8月当科を紹介された.初診時,掻痒を伴わない半米粒大までの紅色丘疹が体幹,四肢に多発し,一部で局面を形成していた.皮膚病理組織では表皮直下から真皮上層にかけて非乾酪性類上皮肉芽腫を認めた.肺門リンパ節腫脹はなかったが,血清ACEは21.5U/l,リゾチームは15.3mg/μlであった.眼所見で両側に前部ブドウ膜炎,隅角結節を認めた.苔癬様型の皮膚症状を呈したサルコイドーシスと診断し,眼にはステロイドの点眼を継続し,皮膚にはvery strongクラスのステロイド外用を開始し,皮疹は改善した.1983年以降に本邦で報告された苔癬様型の皮膚サルコイドの原著報告23例を解析したところ,血清ACE値よりリゾチーム値で陽性率が高い(18%:50%)ことが判明した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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