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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

文献概要

症例報告

胃癌を後発し郭清リンパ節にも類上皮細胞肉芽腫がみられたサルコイドーシスの1例

著者: 平井郁子1 崎山とも1 木花光1 原田浩2 宮沢直幹3

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院外科 3済生会横浜市南部病院呼吸器内科

ページ範囲:P.873 - P.877

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要約 71歳,男性.5年前より頭頂部に掻痒を伴う皮疹があった.3か月前より食欲不振が続き胃生検でtubular adenocarcinomaと診断された.術前のCTでは縦隔リンパ節が腫大し,ガリウムシンチグラムで集積を認めた.また,血清ACE活性,リゾチームは高値であった.頭頂部の不整形紅斑から生検し非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断した.早期胃癌に対し根治術を施行した際,郭清したリンパ節の一部に類上皮細胞肉芽腫が充満しており,悪性腫瘍に伴うサルコイド反応と鑑別を要した.自験例はサルコイドーシスのリンパ節に特徴的な,リンパ節全体に多発充満する境界明瞭な肉芽腫像を呈していたことより,組織学的にもサルコイドーシスのリンパ節浸潤と診断した.両者の鑑別には,サルコイドーシスの基準を満たす全身症状の有無の評価をした上で,典型的な所見であれば組織学的にも鑑別しうると思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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