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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

症例報告

外陰部に巨大な腫瘤を対称性に生じ,特異な臨床像を呈したMadelung病(良性対称性脂肪腫症)の1例

著者: 松澤美幸1 赤澤聡1 安藤典子1 猪爪隆史1 原田和俊1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.883 - P.886

文献概要

要約 46歳,女性.アルコール性肝障害および6年前と4年前に後頸部の脂肪腫切除歴があった.4年前から外陰部の腫脹を自覚していたが,羞恥心より医療機関を受診しなかった.徐々に腫脹が増悪し,歩行時の疼痛や排尿困難が出現したため当科を受診した.初診時,両側外陰部に左右対称性の巨大な皮下腫瘤を認めた.MRIで両側頸部・後頸部・肩甲部・外陰部にT1強調,T2強調画像ともに高信号,脂肪抑制画像で低信号となる領域を認めたため,Madelung病と診断した.切除した腫瘤に明らかな被膜はなく,病理組織学的に異型性のない成熟脂肪細胞の増生を認めた.本疾患の本邦報告例は医中誌検索上,106例にのぼるが,女性の外陰部に生じた症例は報告されておらず稀な症例と考えられる.

参考文献

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2) Madelung OW:Arch Klin Chir 37:106, 1888
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11) Enzi G, et al:Int J Obes Relat Metab Disord 26:253, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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