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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

文献概要

症例報告

マイコプラズマ関連粘膜炎の1例

著者: 岡田佳与1 遠藤雄一郎1 江川形平1 浅井啓太2 別所和久2 藤澤章弘1 谷岡未樹1 椛島健治1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室 2京都大学大学院医学研究科口腔外科学教室

ページ範囲:P.897 - P.900

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要約 33歳,女性.当科初診10日前に上気道炎様症状が出現した.初診5日前より口腔,鼻腔,陰部に水疱,びらんが出現,食事摂取が困難となった.初診2日前に近医受診し,アシクロビルとプレドニゾロン20mg/日を開始されたが口腔内の症状が改善しないため当科入院となった.口唇・口腔粘膜の病理組織検査では粘膜びらんを認めたが,蛍光抗体直接・間接法はいずれも陰性であった.DLST,水疱症関連の自己抗体はいずれも陰性であった.CTでは中肺野に区域性のスリガラス状陰影を認め,マイコプラズマ抗体640倍と高値より,マイコプラズマ感染と診断した.上気道炎症状が先行したことを考慮すると,マイコプラズマ関連粘膜炎と考えられた.マイコプラズマ感染に伴う多形滲出性紅斑やStevens-Johnson症候群は広く知られているが,マイコプラズマ関連粘膜炎は粘膜を中心に症状を起こすことがあり,鑑別に挙げる必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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