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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

症例報告

イミキモドクリームが奏効した古典型Kaposi肉腫の1例

著者: 金井千恵1 白山純実1 城光寺龍2 辻本正彦2 八幡陽子1

所属機関: 1大阪警察病院皮膚科 2大阪警察病院病理診断科

ページ範囲:P.911 - P.916

文献概要

要約 84歳,男性.3年前より右足底中央に小指頭大の紫紅色斑が出現し,半年前より徐々に増大した.初診時,右足底中央に浸潤をふれる26×17mmの暗紫色斑と,右足の母趾腹,踵部に3mm大,土ふまず部に6×5mmの紫紅色斑を認めた.皮膚病理所見で真皮内に不規則な形の血管と紡錘形細胞が結節状に増殖し,膠原線維間には赤血球を混じる細隙を認めた.増殖している細胞はCD31,CD34,D2-40,MIB-I,HHV-8陽性であった.血中抗HIV抗体は陰性で,古典的Kaposi肉腫と診断した.精査の結果,内臓病変は認めなかった.皮疹が足から前腕にも増数拡大してきたため,イミキモドクリーム外用加療(週3回)を開始したところ,暗紫色斑は消退し新生も認めなくなった.その後4か月間休薬していたところ,足に紫紅色斑の再燃を認めたため外用を再開し軽快している.古典的Kaposi肉腫の治療の1つとしてイミキモドクリームは有用ではないかと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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