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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻11号

2013年10月発行

症例報告

老人性血管腫の皮下組織の血管に腫瘍性B細胞を認めたintravascular large B-cell lymphomaとHodgkinリンパ腫の複合リンパ腫の1例

著者: 島本紀子1 白瀬智之2 木原香織3 大野辰治3 吉川義顕1

所属機関: 1大津赤十字病院皮膚科 2大津赤十字病院病理部 3大津赤十字病院血液内科

ページ範囲:P.917 - P.921

文献概要

要約 65歳,女性.Hodgkinリンパ腫の化学療法後に病勢評価目的で行われた骨髄生検にて大型の腫瘍性B細胞がみられ,intravascular large B-cell lymphoma(IVL)が疑われたため皮膚生検を施行した.腹部における老人性血管腫3か所と無疹部1か所から生検を行い,4か所ともに皮下脂肪織の小血管に大型のCD20陽性リンパ腫細胞を認めた.IVLと確定診断し,リツキシマブ-CHOP療法を行った.近年,老人性血管腫を生検し,血管腫内に腫瘍細胞を認めIVLの診断に至った報告が散見される.自験例では,腫瘍細胞は老人性血管腫内の血管には認められず,皮下脂肪織の小血管内にのみ存在していた.老人性血管腫を生検する場合でも皮下脂肪織を十分に含め採取することが重要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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