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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

症例報告

全身症状を伴うlupus erythematosus tumidusと考えた2例

著者: 大田玲奈1 外川八英1 中込大樹1 鎌田憲明1 神戸直智1 松江弘之1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学

ページ範囲:P.958 - P.964

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要約 症例1:49歳,男性.日光曝露後に露出していた両上腕,さらに背部にも浮腫性紅斑が出現した.症例2:36歳,女性.両上腕伸側に浸潤を触れる網状紫紅色局面が出現した.2例とも組織学的に表皮の変化はみられず,真皮上層から深部まで血管,付属器周囲を中心に単核球の浸潤と膠原線維間にムチンの沈着を認め,蛍光抗体直接法は陰性であった.臨床所見と組織学的所見より,いずれの症例もlupus erythematosus tumidus(LET)と考えた.症例1は経過中,SLEの診断基準の5項目を満たしSLEの診断に至った.症例2は同診断基準の3項目を認めた.LETは従来cutaneous LEの一型とされ全身症状をほとんど伴わないと考えられている.しかし経過中にSLEと診断された報告も散見されるため長期的な経過観察が必要と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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