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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

症例報告

男性乳癌の1例

著者: 佐藤純子1 深澤まみ1 松浦裕貴子1 鴇田真海1 吉田寿斗志1 福地修1 木下智樹2 中川秀己3

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院皮膚科 2東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 3東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科

ページ範囲:P.981 - P.985

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要約 68歳,男性.右乳頭部の小結節を主訴に受診した.初診時,右乳頭に6mm大の紅色小結節を認めた.皮膚生検病理組織にてadenocarcinoma(乳癌)と診断し,乳腺内分泌外科で全乳房切除術,センチネルリンパ節生検を施行された.病期はstage Ⅰ(pT1bN0M0)であり,浸潤性乳管癌であった.術後補助療法は行わず,現在経過観察中である.男性乳癌は全乳癌の1%未満の頻度と,比較的稀で女性乳癌の平均年齢よりも10歳以上高い.高齢化は進む一方であることから,今後男性乳癌患者数も増加すると考えられる.男性乳癌患者数の初診時皮膚所見は,腫瘤,紅斑,硬結が多く,初期から皮膚表面に症状が現れるため,皮膚科を初めに受診する可能性が高いと考えられる.

参考文献

1) 松田 実,他:臨外会誌 58:513, 1997
2) 北島政樹(監):標準外科学,第12版,医学書院,p299, 2010
3) 加賀美緒,他:皮病診療 31:703, 2009
4) 中安慎二,他:皮膚臨床 47:479, 2005
5) 近藤正孝,他:臨皮 56:875, 2002
6) 日本乳癌学会(編):臨床・病理 乳癌取扱い規約,第15版,金原出版,p5, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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