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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻12号

2013年11月発行

文献概要

症例報告

胃原発diffuse large B-cell lymphomaの治療後,大細胞転化を伴う菌状息肉症を生じた1例

著者: 内山明彦1 田子修1 山田和哉1 永井弥生1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.997 - P.1001

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要約 84歳,女性.1989年胃原発diffuse large B-cell lymphomaと診断された.1990年胃全摘術後,化学療法を行い,その後再発はなかった.2010年5月より体幹,四肢に皮疹が出現し,同年8月当科を受診した.初診時,体幹・四肢に小指頭大までの淡紅褐色斑および結節が散在し,腰部には潰瘍を伴う結節がみられた.皮膚病理組織像では,表皮内の微小膿瘍,真皮浅層に中~大型の異型リンパ球の稠密な浸潤増殖があり,大細胞転化を伴った菌状息肉症と診断した.皮疹は急速に増悪し,初診から1年後に永眠した.皮膚T細胞リンパ腫とB細胞リンパ腫の併発は稀である.原因として遺伝的素因やEBウイルス感染,抗腫瘍薬による2次性発癌などが挙げられているが,詳細は明らかでない.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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