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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻13号

2013年12月発行

文献概要

症例報告

DLSTが有用であったラモトリギンによる非典型薬剤性過敏症症候群

著者: 野田和代1 青山裕美1 瀧口徹也1 鈴木規弘1 杉山聖子2 岩月啓氏1

所属機関: 1岡山大学病院皮膚科 2岡山赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.1033 - P.1037

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要約 27歳,女性.双極性障害に対してラモトリギン(ラミクタール®)25mg/日連日内服3週間後から,咽頭痛,発熱が出現し,その後紅斑と肝機能障害をきたした.軽快後,発症約3週間後に,顔および頭皮に膿疱が出現した.発症約1か月後に施行したラモトリギンの薬剤誘発性リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)は偽陽性であったため2か月後,6か月後に再検しともに陰性であったが,約8か月後に陽性となり,同薬剤による薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と診断した.DIHSにおけるDLSTは,急性期には陰性でも,2か月以降には陽性となるとされているが,陰性であっても疑わしい場合は半年以上あけて再検する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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