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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻13号

2013年12月発行

文献概要

症例報告

巨大なエクリン汗孔腫の2例

著者: 中村友紀1 長山功佑1 飯岡弘至1 桑原理充1 福本隆也1 小林信彦1 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1067 - P.1073

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要約 症例1:64歳,男性.約20年前より右下腿前面に結節を認めていた.約2年前に近医を受診し,生検病理組織像より基底細胞癌と診断されたが放置していた.腫瘍は徐々に増大し,当科を紹介され,右下腿前面に50×25×15mmの腫瘤を認め,生検病理組織像から汗孔腫と診断し,腫瘍の全切除を施行した.症例2:72歳,男性.約15年前から左踵に腫瘤が出現し,徐々に増大してきたため当科を紹介され,左足踵に65×65mmの有茎性腫瘤を認めた.生検病理組織像から汗孔腫と診断し,腫瘍を全切除した.2例ともに細胞に異型性はなくエクリン汗孔腫と診断した.エクリン汗孔腫は一般的に2cm以下のものが多く,自験例のように巨大なものは比較的稀であるが,短期間で巨大化する例や悪性化する例もあり,早期の切除が望ましいと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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