icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻13号

2013年12月発行

文献概要

症例報告

同側の鎖骨上窩リンパ節に転移を認めた肩原発の悪性黒色腫の1例

著者: 徳永茉以1 遠藤雄一郎1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 楯谷一郎2 平野滋2 椛島健治1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野 2京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.1087 - P.1090

文献購入ページに移動
要約 48歳,男性.血液透析中.直径10mm大の黒色腫瘤を左肩に認めた.病理学的診断は悪性黒色腫であり,核小体明瞭で大型の異型細胞と紡錘形細胞が充実性に増殖し,メラニンを含有していた.RIシンチグラフィでは,左側鎖骨上窩リンパ節にのみ取り込みを認めた.原発巣切除術に加えて,左側鎖骨上窩センチネルリンパ節生検(RI・色素・蛍光法を併用)を施行したところ,転移を認めた.CT・FDG-PETで遠隔・リンパ節転移を疑う集積はなかった.原発巣の追加切除や左側頸部選択的リンパ節郭清術では,腫瘍細胞はなかった.術後補助療法は,インターフェロンβの局所注射(300万IU/日を5日間連続投与)を施行した.現時点では,局所再発・遠隔転移を認めていない.センチネルリンパ節を同定するためには,シンチグラフィーやマッピングを組み合わせることが必要である.また頸部にセンチネルリンパ節を認める症例では,選択的頸部リンパ節郭清術を検討してもよいと思われる.

参考文献

1) Uren RF, et al:J Nucl Med 44:570, 2003
2) Leong SP, et al:Arch Dermatol 135:1472, 1999
3) Sondak VK:Ann Surg Oncol 16:2965, 2009
4) Bocca E, et al:Laryngoscope 94:942, 1984
5) Brazilian Head and Neck Cancer Study Group:Head Neck 21:694, 1999
6) 並川健二郎,他:日皮会誌 116:1201,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?