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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

症例報告

消化管病変の経過をCTで評価した成人Henoch-Schönlein紫斑病の1例

著者: 安藤佐土美1 松村和子1 神崎志乃2 小野雄司2

所属機関: 1札幌社会保険総合病院皮膚科 2札幌社会保険総合病院消化器科

ページ範囲:P.124 - P.127

文献概要

要約 53歳,男性.初診の1週間前から微熱と腹痛とともに下肢に浸潤を触れる直径5~10mmの紫斑が出現した.Henoch-Schönlein紫斑病と診断し,腹痛が増強し,入院した.腹部造影computed tomography(CT)にて結腸,空腸に全周性の壁肥厚,腸管血管の充血,壁内出血を認めた.メチルプレドニゾロン500mg/日点滴を3日間行い,消化管病変,皮膚病変は速やかに改善した.成人発症のHenoch-Schönlein紫斑病では30~56.5%の例で消化管病変がみられる.CTでは腸管壁の肥厚,腸間膜血管の充血,腸管腔の開大などがみられるが,各々のCT所見に基づいた治療法は確立されていない.自験例ではCTで消化管病変を評価して治療を選択し,治療効果もCTで評価した.症例の蓄積により,CTによる消化管病変の評価法とCT所見に基づいた治療法が確立されることが期待される.

参考文献

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6) Jeong YK, et al:AJR Am J Roentgenol 168:965, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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