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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

文献概要

症例報告

Palisaded neutrophilic and granulomatous dermatitisにより診断に至ったChurg-Strauss症候群の1例

著者: 青島正浩1 津嶋友央1

所属機関: 1富士市立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.129 - P.132

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要約 62歳,女性.20年前より気管支喘息があり,プレドニゾロン5mg/日を内服中であった.初診の2週間前より,右肘に軽度の掻痒を伴う1cm大の結節が出現した.良性の皮膚腫瘍を疑い全摘した.病理組織学的には,変性した膠原線維とそれを取り囲む柵状の肉芽腫様構造が,真皮内に散在していた.好中球の浸潤も伴っており,palisaded neutrophilic and granulomatous dermatitis(PNGD)と診断した.血液検査ではMPO-ANCAが663.0U/mlと高値であった.気管支喘息と好酸球増加(9.9%,750/μl),血管外肉芽腫がみられたことから,Churg-Strauss症候群が基礎に存在すると考えた.皮疹切除後,プレドニゾロンを10mg/日に増量し,再発はみられていない.自験例では皮疹が単発,片側性にみられ,PNGDとしては特異であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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