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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

文献概要

症例報告

多彩な皮膚病変を伴うIgG4関連疾患の1例

著者: 本田理恵12 高橋愼一1 中谷綾3

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院皮膚科 2日立製作所日立総合病院皮膚科 3東京歯科大学市川総合病院内科

ページ範囲:P.133 - P.138

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要約 81歳,男性.3か月前より眼瞼腫脹を自覚した.初診時,眼瞼腫脹と左眼外側に大豆大の硬い皮下結節,両上腕に散在する母指頭大までの紫紅色斑を認めた.CT上,眼瞼皮下組織の肥厚と涙腺腫大,耳下腺腫脹を認めた.血液検査では,IgG 2,380mg/dl,IgG4 936mg/dlと高値で,病理組織像でリンパ球・形質細胞の浸潤と線維化を認めた.免疫染色でIgG4/IgG陽性形質細胞比が90%以上であったことから,IgG4関連疾患と診断した.プレドニゾロン(PSL)20mg/日内服にて,眼瞼腫脹と上腕の紫紅色斑は速やかに軽快したが,PSLを漸減し中止後5か月で眼瞼腫脹の再燃がみられPSL 5mg/日を再開した.皮膚病変を伴うIgG4関連疾患の本邦報告14例を検討した結果,眼瞼腫脹は4例と比較的多く認めたが,これに関してはMikulicz病の部分症状を見ている可能性がある.また,好酸球増多・高IgE血症は本疾患に有意な所見と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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