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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

症例報告

臨床像が結節型悪性黒色腫を思わせた基底細胞癌の1例

著者: 稲津美穂子1 納さつき1 浜野真紀1 石川武子1 大西誉光1 渡辺晋一1 帆足俊彦2

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室 2三楽病院皮膚科

ページ範囲:P.169 - P.172

文献概要

要約 61歳,女性.約4年前に背部に自覚症状のない小指頭大程の黒色結節が出現した.結節は易出血性となり,徐々に増大した.初診時,背部に胡桃大超の有茎性茸状の紅褐色結節を認めた.表面は易出血性で血餅に覆われていた.初診時のダーモスコピーは血餅のため観察困難であった.悪性黒色腫を疑い局所皮弁を用い,切除した.病理組織像では充実性から腺様の基底細胞からなる胞巣で辺縁に柵状配列もみられ基底細胞癌と診断した.術後に画像ソフトでダーモスコピー像を補正してみるとarborizing vesselsなど診断の手がかりとなる所見が得られた.ダーモスコピー検査では,出血などのアーチファクトを実際の観察時に取り除くことが肝要であるが,電子的な画像補正もある程度有用と考えられた.

参考文献

1) 竹之内辰也:1冊でわかる皮膚がん,文光堂,p122, 2011
2) 市村祐子,他:臨皮 55:435, 2001
3) 大西誉光,他:皮膚臨床 31:1320, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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