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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

症例報告

新生児単純ヘルペス感染症の1例

著者: 坂本慶子1 影山葉月1 田島巌2 谷岡書彦3 戸倉新樹4

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2磐田市立総合病院小児科 3磐田市立総合病院病理診断科 4浜松医科大学皮膚科

ページ範囲:P.173 - P.176

文献概要

要約 日齢9の男児.日齢3より38℃の発熱があり,日齢7頃から臍部周辺,鼻部,胸部に発赤,膿疱が出現した.膿疱部皮膚のPCR解析にて単純ヘルペスウイルス1型ゲノムが検出され,単純ヘルペス感染症と診断した.アシクロビル(30mg/kg/日)の静脈投与を14日間行い皮疹は痂皮化し,日齢12から生じた肝機能異常も改善した.母親に口唇,性器ヘルペスの既往はなく,妊娠経過中,口唇,陰部に皮疹は自覚しなかったが,出産前後に無症候性ウイルス排泄があったと推察された.日齢10前後までに新生児が発熱,水疱,肝機能異常などを示した場合,母親に性器ヘルペスの症状がなくてもヘルペスウイルス感染を念頭に置き,迅速に治療を開始する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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