icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻2号

2013年02月発行

症例報告

ネフローゼ症候群を合併し,非定型的な臨床像を呈した手足口病の1例

著者: 平井郁子1 崎山とも1 木花光1 佐藤睦美2 甲斐純夫2

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院小児科

ページ範囲:P.177 - P.180

文献概要

要約 1歳7か月,女児.2011年7月下旬に37℃台の発熱と倦怠感で小児科を受診した.下腿浮腫と蛋白尿を認め,臀部から下肢にかけて多発する小水疱と紅色丘疹に対し,当科を紹介された.口腔内,手掌,足底には発疹は乏しく,手足口病としては非定型的な臨床像を呈したが,隣県で同時期に流行したコクサッキーA群6型(CA6)による非定型的な手足口病に酷似していた.さらに血液検査にてCA6抗体が高値であった.蛋白尿はネフローゼ症候群と診断し,ステロイド,免疫グロブリン投与で加療した.CA6による手足口病でネフローゼ症候群を合併したとの報告は今までにないが,ほぼ同時に発症した皮膚,腎症状よりウイルス感染による腎障害の可能性を考えた.コクサッキーウイルスを含むエンテロウイルス感染症は多彩な臨床像を呈するため,近県の発生情報にも留意する必要があると思われた.

参考文献

1) 藤田彩乃:MB Derma 164:85, 2010
2) IDWR感染症週報 26:9, 2011
3) 小林正明,他:小児科 52:1444, 2011
4) 渡部裕子,他:日皮会誌 121:863, 2011
5) 川崎幸彦:日児腎誌 21:48, 2008
6) Nagai M, et al:Laboratory Investigation 83:901, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら