文献詳細
文献概要
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文献紹介 Pyrinのgain-of-function変異はマウスにおいてNLRP3非依存的にIL-1β活性と重篤な自己炎症を引き起こす
著者: 西本周平1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.149 - P.149
文献購入ページに移動 家族性地中海熱(familial Mediterranean:FMF)の原因遺伝子として知られるMEFVはインフラマソームを制御するpyrinをコードしているが,その遺伝子変異による発症のメカニズムについて明らかではない.Pyrin欠損マウスおよびFMFで報告されている遺伝子変異を有するB30.2ドメインをノックインしたマウスを作成した.欠損マウスでは症状の出現はなく,ホモ変異ノックインマウスにおいてヒトのFMFに類似した,より激しい炎症が骨髄依存的に生じた.ノックインマウスのマクロファージにおいてcaspese-1の常態的な活性化により,LPS単独刺激で活性化IL-1βの分泌がみられ,これはFMF患者と同様であった.ノックインマウスの炎症によるフェノタイプはIL-1R欠損マウスとの交配,およびインフラマソームのアダプター分子であるASC欠損マウスとの交配により完全になくなったが,NLRP3欠損マウスとの交配ではなくならなかった.これらのことから,gain-of-functionによるPyrin変異はASC依存的,NLRP3非依存的に自己炎症性疾患を引き起こすことがわかった.
参考文献
Chae JJ, et al:Gain-of-function Pyrin mutations induce NLRP3 protein-independent interleukin-1β activation and severe autoinflammation in mice. Immunity 34:755-768, 2011
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