文献詳細
症例報告
文献概要
要約 63歳,男性.某眼科で左眼白内障に対し手術を施行後,数種類の眼科用剤で加療され,患側の眼瞼に掻痒を伴う紅斑と腫脹が出現した.接触皮膚炎を疑い点眼薬の変更とステロイド外用を行ったが悪化し,全身に紅斑が拡大した.後日,パッチテストを施行したところ,エコリシン点眼®,サンベタゾン液®,リンベタPF液®,リンデロンA点眼®,ネオメドロールEE軟膏®に陽性を示した.さらに同製剤の成分パッチテストを行った結果,コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム,リン酸ベタメタゾン,硫酸フラジオマイシンが陽性であり,多剤感作による接触皮膚炎症候群と診断した.治療としてリン酸ベタメタゾンナトリウムを含むステロイド点眼を使用し続けたことで,症状のさらなる増悪をきたしたと考えた.
参考文献
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