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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

症例報告

外傷を契機に発症した塩酸ミノサイクリンによる色素沈着型薬疹の1例

著者: 坂本慶子1 影山葉月1 渡辺規矩夫2 戸倉新樹3

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2渡辺皮膚科 3浜松医科大学皮膚科

ページ範囲:P.205 - P.208

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要約 81歳,女性.当科初診の9年前から,関節リウマチのため塩酸ミノサイクリンの内服を開始した.2年前に転倒し両膝や肘関節を打撲した.その後,同部位に灰青色の色素斑が出現し,拡大してきたため当科を受診した.病理組織像では表皮基底層のメラニン顆粒の増加,真皮全層の血管周囲および膠原線維間に黒褐色調の微細顆粒状物質を有する細胞が認められ,Berlin-blue染色にて鉄の沈着が確認された.過去の報告例も鑑み,外傷を契機に出現した塩酸ミノサイクリンによる色素沈着と診断した.同薬剤を内服中止後,39か月で色素斑は消退しつつある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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