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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

症例報告

尋常性乾癬に水疱性類天疱瘡を合併した1例

著者: 石田修一1 日野頼真1 廣田理映1 高村直子1 千葉由幸1 堀内義仁1 福田俊平2 橋本隆2

所属機関: 1国立病院機構災害医療センター皮膚科 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.209 - P.213

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要約 52歳,男性.2002年に発症した尋常性乾癬に対し,ステロイドおよび活性型ビタミンD3外用で治療し,2008年からはシクロスポリン間歇内服療法も併用していた.2010年9月下旬から上肢と体幹に水疱が出現するようになった.病理組織像では表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgGおよびC3が陽性,間接法ではIgGが表皮側に陽性であった.血清抗BP180およびBP230抗体陽性であり,水疱性類天疱瘡の合併と診断した.ナローバンドUVB,エトレチナート,ミノサイクリン,ニコチン酸アミドによる治療で両者ともいったん軽快したが,その後再燃し,最終的にステロイド全身投与により症状軽快し現在も治療継続中である.尋常性乾癬と自己免疫性水疱症の合併は多くの症例が報告されている.これまでの報告から合併する水疱症のタイプや機序について考察を加えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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