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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

症例報告

Cronkhite-Canada症候群の1例

著者: 立石純子1 角大治郎1 織田眞理子1 古谷徹2 小倉誠3 竹内常道1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学柏病院皮膚科 2東京慈恵会医科大学柏病院消化器内科 3東京慈恵会医科大学柏病院腎臓高血圧内科

ページ範囲:P.219 - P.222

文献概要

要約 75歳,男性.下痢に続発した脱毛,爪甲変形と手掌の色素斑を主訴に受診した.下部消化管内視鏡にてS状結腸にポリポーシスを認めCronkheite-Canada症候群と診断した.ダーモスコピーでは,手掌の色素斑は全体が融合したように見え,色素斑の皮丘や皮溝との位置関係ははっきりしなかった.プレドニゾロン20mg/日の内服にて消化器症状は軽快し爪甲変形も回復したが,その後消化管ポリポーシスは胃にも拡大した.また,経過中に膜性糸球体腎症を発症しプレドニゾロン30mg/日の内服を開始した.手掌の色素沈着のダーモスコピー所見として,Cronkheite-Canada症候群では皮丘に強い色素沈着がみられ,Peutz-Jeghers症候群とLaugier-Hunzica症候群でpararell-ridge patternが観察される.自験例が呈した全体が融合したように見える手掌の色素斑は,Peutz-Jeghers症候群でも観察される.Cronkheite-Canada症候群の診断には色素斑や毛髪,爪甲の視診が大切であり,色素斑のダーモスコピー所見は診断の一助となる.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系,第8巻,中山書店,p268, 2002
2) Gregory B, Ho VC:J Am Acad Dermatol 26:153, 1992
3) 浅木弘子,他:皮膚臨床 25:785, 2005
4) Herzberg AJ, et al:Int J Dermatol 29:121, 1990
5) 大原國章:カラーアトラスDermoscopy,金原出版,p69, 2003
6) 田宮久詩,他:皮膚病診療 33:245, 2011
7) Sendagorta E, et al:J Dermatol 37:980, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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