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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

症例報告

外陰部に生じたdesmoplastic malignant melanomaの1例

著者: 高岡佑三子1 遠藤雄一郎1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.245 - P.248

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要約 78歳,女性.左右小陰唇間に外方に突出する境界不明瞭な長径約5cmの硬い腫瘤を認めた.腫瘤の表面は黒色斑が全周性に広がり,腫瘤の中心にはびらんと潰瘍を認めた.病理組織所見では,表皮内に胞巣または孤立した異型メラノサイトが不規則に分布していた.さらに真皮内は,膠原線維の増生が目立ち,紡錘形の異型細胞の増殖を認めた.免疫組織化学的には,表皮および真皮内異型細胞はともにS100蛋白強陽性であり,HMB45,メランA,MITFは表皮内病変および真皮上層の上皮様細胞に陽性だが,より深部の真皮内の紡錘形細胞では一部にのみ陽性であった.平滑筋アクチン,デスミン,CD34,第VIII因子は陰性であった.以上よりdesmoplastic malignant melanoma(DMM)と考えた.自験例は,高齢女性の小陰唇という稀な部位に生じたDMMであった.DMMは診断が困難な場合が多く,本疾患の臨床像,病理学的・免疫組織化学的な特徴を十分理解することは,早期診断,治療を行ううえで重要と考える.

参考文献

1) Elder DE, et al(ed):Lever's Histopathology of the Skin, 10th ed, Lippincott Wiliams & Wilkins, Philadelphia, p753, 2009
2) 尾上智彦,他:臨皮 61:172, 2007
3) Elder DE, et al(ed):Lever's Histopathology of the Skin, 10th ed, Lippincott Wiliams & Wilkins, Philadelphia, p1122, 2009
4) Quinn MJ, et al:Cancer 83:1128, 1998
5) Miller DD, et al:Mod Pathol 25:505, 2012
6) de Almeida LS, et al:Am J Dermatopathol 30:207, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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