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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

症例報告

下腿血管肉腫の1例

著者: 須山孝雪1 江口弘伸1 寺本由紀子1 山本明史1 今西淳悟2 三輪啓介3

所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科 2埼玉医科大学国際医療センター骨軟部腫瘍科・整形外科 3埼玉医科大学国際医療センター腫瘍内科

ページ範囲:P.255 - P.259

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要約 60歳,女性.10年前,右乳癌の切除の既往がある.28年前に右下腿の交通外傷のため植皮術や皮弁作成術を5回受けた.以降,同部に慢性浮腫が生じた.2010年秋頃には同部に隆起性病変が出現し,多発したため,近医を受診した.種々の外用療法を受けたが改善せず,表面が壊死し悪臭を生じ,有棘細胞癌などを疑い皮膚生検し,血管肉腫と診断され,当科を紹介された.当初,患肢切断を拒否した.患肢に蜂窩織炎を併発し,抗菌薬の点滴静注を行った.また,局所からの出血が著しくMohsペーストを外用した.CTで肺と胸膜に転移を疑わせる病変があり,ドセタキセル点滴静注を3コース施行した.その後も腫瘍は増大し,感染の制御も不良で,本人の同意が得られ,同年3月,膝上切断を施行した.術後CTで胸膜浸潤が再度疑われ,ドセタキセルを3コースとドキソルビシンを8コース追加した.四肢に生じる血管肉腫はまれであり,また壊死性の結節・腫瘤を形成する特異な外観を呈した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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