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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

症例報告

腎機能正常者の帯状疱疹治療中にみられたアシクロビル脳症の1例

著者: 松村伸1 野網淑子1 堀米玲子1 桃井浩樹2

所属機関: 1飯田市立病院皮膚科 2飯田市立病院脳神経内科

ページ範囲:P.265 - P.268

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要約 79歳,女性.右三叉神経III枝,第2頸神経領域の帯状疱疹と診断され,常用量のバラシクロビルを3,000mg/1日内服を開始した.翌日から,寒気,ふらつき,食欲不振などが生じ入院した.治療をアシクロビル点滴静注に変更して250mgを1回投与したのち,意識状態の急速な悪化がみられた.諸検査で帯状疱疹に伴う髄膜炎・脳炎,そのほかの感染症や脳梗塞などの器質的な疾患は否定的であった.アシクロビル点滴を入院2日目(計2回,500mg投与後)に中止したところ,速やかに意識状態の改善が得られた.全経過中,腎機能は正常であった.自験例は,腎機能正常者であっても,アシクロビル脳症を発症する可能性があることを示す稀な1例と考えた.

参考文献

1) 友利浩司,他:臨床神経学 43:470, 2003
2) 飛田泰斗史,他:皮膚臨床 44:159, 2002
3) 飯島 陸,他:神経内科 58:327, 2003
4) 川本達也,他:透析会誌 40:429, 2007
5) 光井千慧,他:臨皮 64:228. 2010
6) 東川竜也,他:医療薬学 33:585, 2007
7) Hara K, et al:Drug Metab Pharmacokinet 23:306, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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