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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

症例報告

耐糖能異常を伴った穿孔性環状肉芽腫の1例

著者: 岡村賢1 川口雅一1 矢口順子1 村田壱大1 穂積豊1 鈴木民夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.327 - P.331

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要約 46歳,女性.5年ほど前から両下腿などに瘙痒を伴う丘疹が出現した.近医にて抗ヒスタミン薬内服やステロイド外用などで加療されたが難治であった.初診時両膝部,臀部などに小豆大の一部中心臍窩を伴う瘙痒性の皮膚色丘疹が線状または環状に配列していた.一部皮疹は潰瘍を伴っていた.空腹時インスリン値10.7μIU/ml(正常値:1.1~9.0)と軽度高値を示し,75g OGTT検査では耐糖能異常のパターンを示した.病理組織像では膠原線維の経表皮排泄像を認め,真皮乳頭層にCD68陽性組織球が集簇し,同部位にムチンが沈着していた.インスリン抵抗性および掻破による機械的刺激,さらに真皮上層での肉芽腫の存在が本症の発症に関与したと考えた.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系,9巻,中山書店 p271, 2002
2) 村澤章子,木村鉄宣:臨皮 54:591, 2000
3) Mehregan AH:Arch Dermatol 97:381, 1968
4) Owens DW, et al:Arch Dermatol 103:64, 1971
5) 白石葉月,三浦 隆:臨皮 51:457, 1997
6) 清水 宏,他:臨皮 37:1019, 1983
7) 荻野篤彦,大石まり子:皮膚臨床 26:889, 1984
8) 矢島千穂,小林 仁:皮膚病診療 25:501, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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