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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

症例報告

形質細胞への分化が顕著な皮膚原発濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫の1例

著者: 高橋暁子1 伊東慶悟1 石氏陽三1 石地尚興1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科

ページ範囲:P.357 - P.361

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要約 49歳,男性.初診1年前より背部,左大腿部に紅色腫瘤が出現し,前医で切除され,pseudolymphomaと診断された.切除8か月後に左大腿に同様の紅色腫瘤が再度出現したため当科を受診した.病理組織像では反応性の胚中心があり,マントル帯の外側に腫瘍細胞の増殖がみられ,真皮浅層から深層にかけて,シート状に形質細胞を主体とした密な細胞が浸潤していた.遺伝子検査にてH鎖JH領域の遺伝子再構成を認め,形質細胞への分化が顕著な皮膚原発濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)と診断した.全身検索にて臓器浸潤はなかった.自験例では形質細胞が目立ったため,pseudolymphoma,皮膚形質細胞増加症,原発性皮膚形質細胞腫との鑑別が必要であった.細胞の浸潤様式,単クローン性であることが重要な鑑別点である.

参考文献

1) Le Boit PE, et al:WHO Classification of Tumors of Skin Tumours, IARC Press, Lyon, 2006
2) Swerdlow SH, et al:WHO Classification of Tumors of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC Press, Lyon, p214, 2008
3) 浜田利久,岩月啓氏:日皮会誌 120:3081, 2010
4) Cerroni L, et al:Am J Surg Pathol 21:1307, 1997
5) Takino H, et al:Mod Pathol 21:1517, 2008
6) Senff NJ, et al:J Clin Oncol 25:148, 2007
7) Rongioletti F, et al:J Cutan Pathol 35:705, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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