icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻4号

2013年04月発行

文献概要

臨床統計

治療ガイドライン策定とアダパレン登場による皮膚科診療施設での痤瘡治療実態の変化―2007年と2010年との比較

著者: 林伸和12 赤松浩彦3 古川福実4 松永佳世子5 渡辺晋一6 宮地良樹7 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2虎の門病院皮膚科 3藤田保健衛生大学医学部応用細胞再生医学講座 4和歌山県立医科大学皮膚科 5藤田保健衛生大学医学部皮膚科学講座 6帝京大学医学部皮膚科学講座 7京都大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.367 - P.374

文献購入ページに移動
要約 2008年にアダパレンが承認され,ほぼ同時に日本の尋常性痤瘡治療ガイドラインが策定された.今回,痤瘡治療の変化をみるために2010年7月から翌年2月に皮膚科診療施設31か所を初診した痤瘡患者290例と各施設の医師にアンケート調査を行い,2007年のそれと比較した.その結果,患者数は著変ないが軽症患者の割合が増加していた.治療法ではイオウ製剤やケミカルピーリングが減少し,アダパレンと抗菌薬が主に使用されていた.さらに,抗菌薬の単独使用が多く,アダパレンと抗菌薬との併用療法は十分に浸透していなかった.初診3か月後ではアドヒアランスが不十分であり,アダパレンによる維持療法の意義が理解されていないことが示唆された.今後,併用療法とアダパレンによる維持療法の重要性のさらなる普及と治療継続のための障害について患者と医師が相互に理解し,解決していくことが期待される.

参考文献

1) 川島 眞,他:臨皮 62:673, 2008
2) 福原俊一(編):皮膚疾患のQOL評価:DLQI,Skindex-29日本語版マニュアル,照林社,p13, 21, 2004
3) 林 伸和,他:日皮会誌 118:1893, 2008
4) Higaki Y, et al:J Dermatol 29:693, 2002
5) Hayashi N, et al:J Dermatol 35:255, 2008
6) Thiboutot D, et al:J Am Acad Dermatol 60(5 Suppl):S1, 2009
7) Miyachi Y, et al:Dermatology 223:174, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら