文献詳細
特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
1.最近話題の皮膚疾患
文献概要
要約 本邦におけるブルーリ潰瘍について症例を提示し診断から治療までの概略を解説した.また,国立感染症研究所ハンセン病研究センターで集積している本邦のデータをもとに,現状についても概説した.世界的には西アフリカから中央アフリカに多い疾患で,非結核性抗酸菌の一種であるMycobacterium ulcerans による主に皮膚の感染症である.本邦では自験例のように渡航歴のない日本人に発症し,M. ulcerans の亜種であるM. ulcerans subsp. shinshuense が皮膚に感染して結節や潰瘍を形成する.非常にまれな感染症であるが皮膚病変として初発し診断から治療までをわれわれ皮膚科医がかかわってゆく疾患であり,本邦でも発症しうることを十分に認識しておく必要がある.
参考文献
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