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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻5号

2013年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013 3.新しい検査法と診断法

自動化STS検査

著者: 尾上智彦1 本田まりこ1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター皮膚科

ページ範囲:P.86 - P.91

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要約 梅毒はTreponema pallidum(TP)の感染による全身性,慢性の性感染症である.TPは一般的な細菌培養ができず,潜伏期も長いため,血清学的検査で診断する場合が多い.梅毒血清反応は使用する抗原の違いからカルジオリピンを抗原とする梅毒脂質抗原法(serologic test for syphilis:いわゆるSTS検査)とTPを抗原とする梅毒TP抗原法に分類できる.このうち脂質抗原法は,病勢を反映することが知られており,診断のみならず治療にとっても重要な指標である.脂質抗原法は,従来,用手目視が判定に必要な倍数希釈法が一般的であったが,近年,自動分析器で自動測定可能な自動化法が本邦で普及しつつある.しかし,自動化法の結果をどのように梅毒の診断および治療に用いるべきか,具体的な指標を示したガイドラインは存在せず,今後の症例の蓄積が待たれるのが現状である.本稿では特に梅毒脂質抗原法と自動化法の運用,および運用にあたって必要な知識について解説した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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