文献詳細
文献概要
特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013 4.皮膚疾患治療のポイント
皮膚疾患における遺伝カウンセリング
著者: 三橋善比古1
所属機関: 1東京医科大学皮膚科
ページ範囲:P.137 - P.140
文献購入ページに移動要約 遺伝医学技術の急速な進歩に対して,一般の人々の遺伝についての理解が追いついていない.このような,進んだ技術を提供する側と,それを受ける側とを橋渡しする役割としての遺伝カウンセリングが注目されている.遺伝カウンセリングとは,相談者またはその家族の,遺伝に関する問題に対して正しい情報を提供し,相談者が遺伝的行動を起こすにあたって,自身で判断するための手助けをすることである.遺伝子検査の前には十分な説明が必要である.遺伝子検査は従来の臨床検査とは異なることを理解する必要がある.すなわち,臨床検査の結果は一過性で,疾患が治癒すると正常値に復する.しかし,遺伝子検査の結果は一生変わらず,自分だけでなく家族や親族にも共通する情報になる.そのため,情報管理にも一段の注意が必要である.後半では色素性乾皮症の実際の遺伝カウンセリングの例を示し,告知の問題についても言及した.
参考文献
1) 三橋善比古:日皮会誌 112:1461,2002
2) 三橋善比古:日小皮会誌 23:136,2004
掲載誌情報