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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013 5.皮膚科医のための臨床トピックス
本邦痤瘡患者のアドヒアランス
著者: 宮地良樹1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
ページ範囲:P.152 - P.154
文献購入ページに移動要約 慢性炎症性皮膚疾患である痤瘡治療においては,治療へのモチベーションを維持することが成否の鍵である.海外の先行研究では痤瘡患者は治療へのアドヒアランスが不良であることが知られている.そこでわが国痤瘡患者の治療へのアドヒアランスを評価ツールを用いて検証した.その結果,諸外国同様,わが国の痤瘡患者の治療アドヒアランスも不良で,その要因として,治療への不満や副作用,痤瘡の知識不足などが抽出された.痤瘡治療へのアドヒアランスを改善するストラテジーとして,当初から抗菌薬を併用し早期の寛解導入をはかること,保湿薬を併用して皮膚刺激作用を軽減すること,痤瘡の病態を説明することで再発予防のための維持療法や寛解後の全顔塗布の必要性などの啓発が求められよう.
参考文献
1) Dreno B, et al:Int J Dermatol 49:448, 2010
2) Pawln H, et al:Dermatology 218:26, 2009
3) Miyachi Y, et al:Dermatology 223:174, 2011
4) 林 伸和,他:臨皮 65:181, 2011
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