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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013 5.皮膚科医のための臨床トピックス
第1世代と第2世代の抗ヒスタミン薬の比較試験(ACROSS trial)
著者: 川島眞1
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.155 - P.158
文献購入ページに移動要約 かゆみを有する皮膚疾患患者を対象に鎮静性抗ヒスタミン薬(d-クロルフェニラミン,ケトチフェン)と第2世代の非鎮静性抗ヒスタミン薬(べポタスチンベシル酸塩)をクロスオーバーで投与し,かゆみ抑制効果と眠気の副作用の程度について比較検討した.その結果,かゆみ抑制効果においては両者ともに有意な効果を示し,両者間に有意差はみられなかった.一方,眠気の副作用に関しては,第2世代の非鎮静性抗ヒスタミン薬では投与前後で有意差はみられなかったが,鎮静性抗ヒスタミン薬では有意な眠気の悪化が認められた.抗ヒスタミン薬の眠気の副作用と効果の強さは相関しないことが証明され,第2世代の非鎮静性抗ヒスタミン薬の使用が推奨されると結論した.
参考文献
1) 秀 道広,他:日皮会誌 121:1339, 2011
2) 古江増隆,他:日皮会誌 119:1515, 2009
3) 川島 眞,他:臨床医薬 27:563, 2011
4) 宮地良樹,瀧川雅浩:Prog Med 27:1233, 2007
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