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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻5号

2013年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013 5.皮膚科医のための臨床トピックス

結節性硬化症皮膚病変に対するラパマイシン外用療法

著者: 金田眞理1

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.162 - P.164

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要約 結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)はその原因遺伝子TSC1TSC2の異常のために,蛋白質hamartinとtuberinの異常が起こり,下流のmTORC1の抑制がとれ,脳,腎,肺,皮膚など全身に腫瘍が出現すると同時に白斑,てんかんなどが出現する疾患である.mTORC1の阻害剤であるラパマイシンの全身投与により,腫瘍や白斑が縮小軽快するが,投与中止にて再燃してくる.その結果,長期間の投与の継続が必要となり,副作用が懸念される.そこで安全性の高い,TSCの皮膚病変の治療薬として,ラパマイシの外用療法を検討した.Rocheの診断基準で結節性硬化症と確定診断された9~46歳の男女26人に対して,種々の基剤の0.2%ラパマイシン外用剤を3か月間外用し,その効果を検討した.その結果,顔面血管線維腫,白斑いずれに対しても効果が認められ,全身局所いずれに対する副作用も認められなかった.

参考文献

1) Europian Chromosome 16 Tuberous Sclerosis Consortium:Cell 75:1305, 1993
2) van Slegtenhorst M, et al:Science 277:805, 1997
3) Inoki K, et al:Nat Cell Biol 4:648, 2002
4) Roach ES, et al:J Child Neurol 13:624, 1998
5) Franz DN, et al:Ann Neurol 59:490, 2006
6) Hofbauer GF, et al:Br J Dermatol 159:473, 2008
7) Wataya-Kaneda M, et al:Br J Dermatol 165:912, 2011
8) Wataya-Kaneda M, et al:Arch Dermatol 148:138, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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