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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻6号

2013年05月発行

文献概要

症例報告

免疫グロブリン大量静注療法が有効であった水疱性類天疱瘡の1例

著者: 宮地千尋1 門馬文子1 紺野隆之1 鈴木民夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.399 - P.404

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要約 84歳,女性.体幹,四肢に掻痒を伴う難治性の浸潤性紅斑を認め,当科を受診した.蛍光抗体直接法で基底膜部にIgG,C3の沈着,ELISA法で抗BP180抗体が陽性であり水疱性類天疱瘡と診断した.プレドニゾロン(PSL)0.7mg/kg/日,シクロスポリン4.5mg/kg/日の内服で軽快せず,血漿交換療法を2回施行したところ,症状は改善したが非結核性抗酸菌症を併発したため免疫グロブリン大量静注療法(400mg/kg/日5日間)を行い有効であった.その8か月後再燃し,再度免疫グロブリン大量静注療法を施行した.これまでの報告でもあるように,従来の免疫抑制療法で難治の水疱性類天疱瘡症例や,感染症を合併した場合の症例に対して免疫グロブリン大量静注単独療法またはステロイドとの併用療法を行うことは,ステロイドを増量することなく症状を改善させることができる可能性がある点で有効といえる.

参考文献

1) Godard W, et al:Ann Intern Med 103:964, 1985
2) Jolles S:Clin Exp Immunol 129:385, 2002
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4) 新熊 悟,他:日皮会誌 118:933, 2008
5) Nimmerjahn F, Ravetch JV:J Exp Med 204:11, 2007
6) Jolles S, et al:Arch Dermatol 134:80, 1998
7) 原  寛,他:新薬と臨床 58:112, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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